ミジンコの増やし方をわかりやすく解説|エサの種類と特徴も紹介

ミジンコ

ミジンコは、メダカや金魚など観賞魚のエサとして栄養価が高く、食いつきが抜群のエサです。

増やし方のコツを覚えれば、一年を通して安定して培養できます。しかし、初心者の方は培養に失敗することも少なくありません。

そこで今回は、ミジンコの増やし方について重要なポイントを交えながらわかりやすく解説します。

培養に使うエサの種類と特徴や、初心者におすすめの方法もご紹介します。

この記事を参考にミジンコの増やし方を学び、観賞魚のエサに困らない環境を整えましょう。

ミジンコは観賞魚の良質なエサ

ミジンコは、メダカや金魚などの観賞魚にとって良質なエサです。

栄養価が高く、視覚的に魚の食欲を刺激するため食いつきが非常に良いのが特徴で、食欲が落ちたときのエサとしてもおすすめです。

さらに、水中で長く生存できるので与えすぎても水質が悪化しにくいというメリットもあります。

コツをつかめば自宅でも簡単に増やすことができるので、観賞魚を飼育している方は増やし方を覚えておくと良いでしょう。

ミジンコの種類

観賞魚のエサとして使用される代表的な品種は以下の3つです。

  1. タマミジンコ
  2. タイリクミジンコ
  3. オオミジンコ

それぞれの特徴を解説します。

タマミジンコ

タマミジンコは3種類の中でサイズが一番小さく、メダカやグッピーなど小型の魚のエサに適しています。

水質変化に弱く、増殖しやすい反面絶滅しやすいため培養には少しコツがいりますが、増殖のスピードが早いのでコツを掴めば継続して大量に増やせます。

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タイリクミジンコ

タイリクミジンコは3種類の中で中間のサイズで、メダカやグッピー、金魚など小型~中型まで幅広い魚のエサにできます。

寿命が長く丈夫で増殖が早いため、飼育しやすく培養が初めての方におすすめの品種です。

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オオミジンコ

オオミジンコは3種類の中で一番大きく、金魚やエンゼルフィッシュなどの大型の観賞魚やウーパールーパーなどの両生類のエサに適しています。

増殖のスピードはゆっくりですが、丈夫で飼育しやすいため大きめの観賞魚のエサとして安定して培養したい方におすすめです。

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それぞれのミジンコのより詳細な違いについては、以下の比較表をご参照ください。

また、それぞれの特徴や違いについて動画でも解説をしております。こちらもぜひ合わせてご参照ください。

ミジンコの増やし方

ミジンコの増やし方を3ステップで解説します。

紹介するのは、タマミジンコ、タイリクミジンコ、オオミジンコ共通の培養方法です。

ミジンコの増やし方を動画でも解説しております。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

準備するもの

  • ミジンコ
  • 培養用の容器(10L以上の面積の広い容器が理想的・複数用意しておくと便利)
  • ミジンコのエサ(クロレラやPSB、鶏糞など)
  • カルキ抜きした水
  • 観賞魚用ヒーター(水温が低い場合)
  • エアレーション用のポンプやスポンジフィルタ(推奨)
  • アンモニア吸着石(推奨)※水質悪化を防ぐため

※ここでは、定番の生クロレラを使用する方法をご紹介します。

【手順1】容器を準備しミジンコを入れる

容器にカルキ抜きした水を入れ、隅にエアレーションを緩い水流になるように調節して設置します。

温度は20〜25℃に保ちましょう。冬など水温が低い場合はヒーターを使用して調節してください。

ミジンコを水合わせしてから容器に移します。

日光や照明が当たらない場合は、ライトを1日12~14時間ほど照射しましょう。

【手順2】エサを投入する

生クロレラ原液の場合、1,000〜2,000倍程度の希釈量(水1Lに対し0.5〜1ml、水10Lに対し5〜10ml)を入れます。

ただし、エサの量は個体数とバランスをとることが重要ですので、少なめの量からスタートして観察しながら調節しましょう。

生クロレラを与える場合は、1日2回、半日で水が透明または黄色っぽい色になるくらいの量が目安です。

培養が進んでミジンコの個体数が増えたらエサの量も増やす必要があります。

【手順3】水替えをする

1週間ほどで水質が悪化し水が茶色に濁るので、水替えをします。

別の容器に同じ環境を用意し、古い容器から新しい容器にミジンコだけを移すと水替えが簡単です。

※上記の手順1〜3を繰り返します。途中でミジンコの量が増えすぎたら、一部を別の容器に移したりエサとして観賞魚に与えたりして密度を調節しましょう。

ミジンコの培養に失敗しないためのポイント 

培養に失敗しないためには、下記のポイントに気を付けて水質管理とミジンコが過ごしやすい環境づくりをすることが重要です。

水質管理

  • 水質悪化を防ぎ水面からの酸素供給量を多くするため、水量が10L以上の面積の広い容器を使用する。
  • アンモニア吸着石を水槽に入れておくと水質悪化を防ぎやすい。
  • ミジンコが増えすぎたら酸欠や水質悪化が起こり死滅しやすいため、増えすぎた場合は一部を他の容器に移すか、エサとして与えて密度を調節する。
  • エサの食べ残しがあると水質悪化につながるため、エサの量は個体数に応じて変える。

過ごしやすい環境づくり

  • 水温は20~25℃に保つ
  • 夏場は水温が高くなりやすいので気を付ける(30℃以上の高温を避ける)
  • 日照時間は1日12~14時間
  • エアレーションが強すぎると水流がミジンコの負担になるため、隅に設置しコックなどで強さを調節する。
  • 容器についたぬめり(バイオフィルム)はみじんこにからまり脱皮ができなくなるので、水替えの際に古い容器のぬめりは取り除いておく。

培養に失敗し容器の中のミジンコが全滅する場合もあるので、複数の容器に分けて飼育しておくと安心です。

ミジンコのエサの種類と特徴

ミジンコのエサの種類と特徴、使用量の目安を解説します。

複数のエサを組み合わせて培養することも可能です。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法で培養しましょう。

※エサの量は個体数に応じて変える必要があります。ご紹介するのはおおまかな目安です。

生クロレラ・粉末クロレラ 

クロレラは、栄養価が高い植物プランクトンで、ミジンコ培養の定番のエサといえます。

高栄養でたんぱく質が豊富なクロレラをエサに与えることで、ミジンコを食べる魚の成長を促すことができます。

クロレラには、生クロレラと粉末クロレラがあります。

生クロレラ

生クロレラは、生きているクロレラを濃縮しています。

高栄養でミジンコを増殖しやすく、クロレラが生きているので水質が悪化しにくいのが特徴です。

冷蔵庫で保管する必要があり、保管期限は1ヶ月ほどなので買い置きができない点に注意しましょう。

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粉末クロレラ

粉末クロレラは、ミジンコをフリーズドライにして粉末にしたものです。

使用する際は、粉末クロレラを水に溶かしてクロレラ溶液を作って与えます。

栄養分は生クロレラと同じで、粉末状態のままの場合は2年程度の長期保存が可能です。

粉末クロレラは、クロレラが生きていないので食べ残しが沈殿しやすいため、薄めの量を回数を多めに与えるのがおすすめです。

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使用量の目安 

  • 生クロレラ:1日に2回、1Lに対して0.25ml程度を与える
  • 粉末クロレラ:1日2回、1Lに対して0.25~0.5ml程度のクロレラ溶液を与える

PSB 

PSB(光合成細菌)は、ビタミンを豊富に含むバクテリアです。

水中の有害物質を分解して水質を浄化する働きがあり、PSB自体が動物性プランクトンや魚のエサになります。

クロレラよりは増殖がゆっくりになりますが、水質が悪化しにくいため安定した培養がしやすいのが特徴です。

また、クロレラなどのメインのエサに加えることで、培養を安定させる効果が期待できます。

PSBは匂いが強いので、屋外で培養する方におすすめです。

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使用量の目安

水の色が若干ピンク色になるくらいの量を入れる

鶏糞 

鶏糞を水に入れて1〜2週間ほど経過すると、鶏糞をエサに微生物が繁殖し、その微生物がミジンコのエサになります。

鶏糞は匂いが強いので、屋外飼育の人に向いています。

また、鶏糞にはミジンコが増殖する際に必要な女性ホルモン(エストロゲン)が大量に含まれています。他の餌と併用しておくことで、安定増殖に繋がりやすくなります。

使用量の目安

水1Lに対して1.5~2.5g程度

ドライイースト

ドライイーストを水に溶かすと、微生物が発生し、その微生物をミジンコが食べます。

スーパーなどで手に入るので気軽に試せて保管場所に困らないのがメリットです。

使用量の目安

水10Lに対して0.5g程度(水が薄く濁る程度)

エビオス錠 

胃腸・栄養補給薬のエビオス錠は、乾燥酵母(ビール酵母)からできており、ミジンコのエサとして使うこともできます。

生クロレラなどに比べると増殖のスピードはゆっくりですが、常温で長期間保存できる点とコストを安く抑えられる点がメリットです。

※和香としてはエビオス錠(ビール酵母)での培養を推奨しておりません。200種以上いる光合成細菌のうち、観賞魚用に適した光合成細菌の配合を行っており、光合成細菌毎に必要とする栄養分が異なります。

エビオス錠やビール酵母でも育つ光合成細菌の組み合わせの場合は、培養がうまくいく場合がありますが、そうでない場合は培養が失敗することになります。

使用量の目安

水4Lに対して1錠程度

グリーンウォーター(青水) 

グリーンウォーターとは、植物性プランクトンが大量に発生し緑色になった水のことで、青水と呼ばれることもあります。

ミジンコの飼育水にグリーンウォーターを入れることでミジンコを培養できます。

屋外飼育をしていてグリーンウォーターがある人は、コストをかけずに培養できるので試してみると良いでしょう。

使用量の目安

水の色が薄い緑色になるくらいの量を入れる。

初心者には生クロレラがおすすめ 

ミジンコ培養が初めての方には、生クロレラがおすすめです。

培養に使えるエサは数種類ありますが、馴れるまでは失敗してミジンコが全滅することも多々あります。

そのため、初心者の方はまずは培養しやすい生クロレラでコツを掴むと良いでしょう。

生クロレラを使うメリットを以下に挙げます。

  • ミジンコが増殖しやすい
  • 水質が悪化しにくい
  • 高栄養なミジンコになる

ミジンコが増殖しやすい

生クロレラは観賞魚の食いつきが良く高栄養なので、大量に増殖しやすいのが特徴です。

与えるエサの量や密度に気を付ける必要はありますが、安定して培養したい人に向いています。

水質が悪化しにくい

粉末クロレラは食べ残しが容器の底に沈殿しやすいですが、生クロレラは生きているため、食べ残しが発生しても粉末クロレラよりも沈殿しにくく、水質の悪化を抑えられます。

粉末クロレラと生クロレラは栄養は変わらないため、慣れないうちは生クロレラを使用し、培養に慣れたら粉末クロレラに変えるのも良いでしょう。

高栄養なミジンコになる

クロレラにはビタミンやたんぱく質、アミノ酸が豊富に含まれており、栄養価が高いのが特徴です。また、整腸作用もあります。

クロレラを食べたミジンコをエサにすることで、魚の成長促進や色揚げ効果、整腸作用が期待できます。

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よくある質問 

ミジンコの増やし方に関するよくある質問に回答します。

生茶でミジンコを増やせる?

兵庫教育大学の「ミジンコ簡易飼育法に関する研究」によると、生茶を飼育水に使用することが手間をかけずにミジンコを長期維持するために有効という研究結果が出ています。

ただし、増殖するにはミジンコのエサが別途必要なため、培養目的で生茶を使用するメリットはほとんどないでしょう。

参照:兵庫教育大学|ミジンコ簡易飼育法に関する研究—飼育水および餌の検討—

冬でもミジンコを増やせる?

冬でも、室内飼育で水槽用ヒーターなどを使用して水温を20〜25℃に保てば増やせます。

ペットボトルでミジンコを増やせる?

水質管理や酸素供給に気を付ければ、ペットボトルで増やすこともできます。

ただし、ペットボトルは水量が少なく面積も狭いため水質悪化や酸素不足に注意が必要です。

できるだけ大容量のものを使用し、エアレーションをかけて2〜3日置きに水替えをするのが良いでしょう。

まとめ 

ミジンコを増やすには、水質管理や快適な環境づくりが重要です。

初心者の方は失敗しやすいため、まずは育てやすい品種やエサで培養し、慣れたら他の品種やエサに挑戦するのがおすすめです。

魚にとって高栄養で良質なエサであるミジンコを自宅で培養できるようになれば、観賞魚の飼育がより充実したものになるでしょう。

この記事で紹介した増やし方や失敗しないためのポイントを参考に、ぜひ培養にチャレンジしてください。

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