メダカの水換えの最適な頻度は、室内飼育なのか屋外飼育なのかによって変わります。
また、季節や飼育状況、水槽の状態によっても水換えのタイミングは異なります。
メダカを健康に飼育するためには、適切なタイミングで水換えを行う必要があります。
この記事では、室内飼育・屋外飼育それぞれのメダカの水換えの頻度に加え、やり方や注意点、タイミングの見極め方をわかりやすく解説します。
初めてメダカを飼育する方や、飼育中のメダカが元気がなくて水換えの頻度について悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてください。
メダカの水換えの頻度【室内飼育】
室内飼育の場合は、1〜2週間に1回、水槽内の3分の1程度の量を目安に交換するのが最適とされています。
最適な水換えの頻度は、季節や飼育状況によっても異なります。
夏の暑い時期は水温が上がりやすく水質が悪化しやすいため、早めに水換えを行う必要があります。
一方で、冬は水温が低く、メダカの活動も少なくなるため水換えの回数は少なく済みます。
また、PSBなどのバクテリア剤を使用している場合は、バクテリアが水質を浄化するため、水換えの回数を減らせます。
なお、水替えの頻度は室内室外問わず「水量」、「メダカの飼育数」でも変わります。水量やメダカの飼育数で水の汚れ方が変わるためです。
水量が少なかったり、メダカの飼育数が多いとその分水が汚れやすくなり、水替えの頻度が多くなります。
- 水量が少ない > 水量が多い
- メダカの飼育数が多い > メダカの飼育数が少ない

メダカの水換えの頻度【屋外飼育】
屋外飼育の場合は、バクテリアや水草による浄化作用で水質を浄化・維持しやすいため、基本的には月に1回程度、3分の1程度の量を目安に水換えをするのが良いでしょう。(蒸発した分の足し水は随時行う必要があります)
冬はメダカの活動が少なく、エサを与える機会も減り水が汚れにくいため、蒸発した水の足し水程度でも良い場合もあります。
ただし、屋外飼育は天候や気温の影響を受けやすいので注意が必要です。
特に夏の暑い時期は水温上昇によりアンモニアの毒性が強くなるため、水替え頻度を多くしておくのが安全です。
水槽は雨風をしのげる場所に設置し、夏は直射日光が当たらないように対策をする必要があります。
※ご説明した頻度はあくまで目安となり、実際の水換えのタイミングは、水槽の状況によって臨機応変に変える必要があります。
詳しくは、後述する「【メダカの水換え】タイミングの見極め方」の章を参考にしてください。
屋外飼育では水換えが不要な場合もある
屋外飼育で、バクテリアや水草が有害物質を分解・吸収し、安定した水質を保つ仕組みが出来上がっている場合は、水換えが不要です。
水質が安定している場合でも、雨の影響や夏の暑さなどが原因で急激に水質が悪化する場合もあるため、こまめな観察や水質のチェックは行う必要があります。
また、冬場屋外飼育による冬眠「越冬」時は、メダカを冬眠を阻害しないことが大切なため、水替えを控える(餌なども控える)のがポイントです。
越冬の対応方法は和香公式YouTubeにて詳しく解説をしております。
めだかの越冬には以下の商品がおすすめです。
①稲わら:納豆菌による水質浄化作用、稲わら自体が隠れ家となる、朽ちた稲わらが養分となる

②生クロレラ:栄養分の少ない冬場のビタミンなどの栄養添加

③PSB、アンモニア吸着石:水質浄化効果


【メダカの水換え】タイミングの見極め方

メダカを健康に飼育するためには、気温や管理状況、水槽の状態によって、水換えが必要なタイミングを見極める必要があります。
初めてメダカを飼育する場合は、最適な水換えのタイミングがわからず戸惑う方が多いでしょう。
この章では、メダカの水換えのタイミングを見極める方法をわかりやすく解説します。
メダカの水換えのタイミングを見極める方法は以下の通りです。
- 水槽の状態で判断する
- 水質検査キットを使う
水槽の状態で判断する
水槽の状態から、水換えのタイミングを判断することができます。
以下の状態のときは、水換えをするべきタイミングです。
エサの食べ残しが発生した
食べ残しのエサは腐敗し、アンモニアを発生させて水質を悪化させるため、すぐに食べきる量を与えましょう。
もし食べ残しが発生したら、すぐにスポイトで回収する必要があります。
食べ残しのエサをすぐに回収できなかった場合は、水換えを行いましょう。
メダカが死んでいた
水槽内でメダカが死んでいた場合もすぐに水換えが必要です。
水質悪化だけではなく、メダカが病気だった場合は他のメダカに病気が移る恐れもあるため、迅速に死体の回収と水換えを行いましょう。
エサの食いつきが悪い
エサの食いつきが悪い場合は、水質が悪化していたり、飼育水が高温になっていたりする可能性が考えられるため、水換えをして様子を見ましょう。
コケが増え始めた
硝酸塩や養分が過剰に増えるとコケが増殖しやすくなるため、 コケが増え始めたときも、水換えをするタイミングです。
コケをきれいに取り除き、水換えをしましょう。
水質検査キットを使う
水槽の観察をしても判断が難しい場合は、市販の水質検査キットを使って各成分のチェックをすると判断しやすいでしょう。
亜硝酸塩やpHを単体でチェックできるものや、アンモニアや亜硝酸塩、硝酸塩、pHなどをまとめて検査できるメダカ専用の水質検査キットもあります。
初心者の方は、数種類の成分がまとめてチェックできるメダカ専用の水質検査キットがおすすめです。
メダカの水質検査でチェックすると良い成分とそれぞれの特徴は以下の通りです。
アンモニア
アンモニアは、魚の排泄物や死骸、エサの食べ残し、枯れた水草などから発生する、メダカにとって有害な物質です。
アンモニアの濃度が高いとアンモニア中毒になり、メダカが死んでしまうこともあります。
メダカなどの淡水魚の場合はアンモニア濃度が0.25mg/L以上になると危険とされています。
特に暑い時期は水温上昇により同じアンモニア濃度でも毒性が強くなるため、水替え頻度を多くしておくのが安全です。
「水温」によって毒性が増すのと同時に「PH」がアルカリ性に偏るとアンモニアの毒性が急激に増します。
PHがアルカリ性に偏る傾向にあるのは、狭い水槽などに緑藻などの藻類がはえると、PHが高くなる(アルカリ化する)ことがあります。
これは光合成により二酸化炭素が吸収されることにより、アルカリ性に偏るためです。藻類を抑えるのは水替えや、植物性プランクトンの栄養源になるリンを吸収するアンモニア吸着石を使うことで抑えられます。
また、PSBにはアンモニアを分解する働きがあるため、水質をきれいに保つことができます。

亜硝酸
バクテリアがアンモニアを分解すると、亜硝酸塩になります。
亜硝酸塩もメダカにとって有害な物質です。
亜硝酸塩の理想的な濃度は0.8mg/L以下です。
濃度が高い場合でも1.6mg/L以下に収めましょう。
硝酸塩
前述した亜硝酸塩をバクテリアが分解すると硝酸塩になります。
硝酸塩は毒性が低いですが、蓄積するとメダカの体調不良やコケの増殖の原因になります。
硝酸塩は分解されないため、水換えで排出するか、水草に吸収してもらうしかありません。硝酸塩は、50mg/L以下に抑えましょう。
pH
pH(ペーハー、ピーエイチ)とは、数値で酸性・中性・アルカリ性のどれにあたるかを表したものです。
目安として、pH値1〜6が酸性・6〜8が中性・8〜14がアルカリ性です。
3〜6程度を弱酸性、8〜11程度を弱アルカリ性とも呼ばれます。
日本の水道水は基本的に中性に近い数値ですが、飼育水は時間が経つと酸性に傾きやすくなります。
メダカに適したpHの目安は、5〜9の間ぐらいです。
メダカは中性~弱アルカリ性を好むとされているので、ph7ぐらいが問題が起きにくいといえます。(所説あり、アルカリ性で飼育している人もいます)
メダカの水換えをしないとどうなる?

屋外飼育でバクテリアや水草のバランスが良く、水質が安定している場合は、水換えが不要なケースもあります。
しかし、それ以外の飼育環境で水換えをしないままメダカを飼育すると、食べ残したエサや排泄物、メダカの死骸などが原因で水質が悪化します。
水質悪化が悪化すると、メダカは弱り、病気になったり、死んでしまったりします。
メダカの水換えのやり方は?
メダカの水換えのやり方には、さまざまな方法があります。
この章では、初心者でも簡単にできるクリーナーポンプを使った水換えの方法をご紹介します。
まずは、メダカの水換えに使う道具からご紹介します。
メダカの水換えに必要な道具
クリーナーポンプ
クリーナーポンプとは、ポンプ部分を押すことで水を吸い上げて排水できる、手動式の灯油ポンプのような道具です。
サイフォンの原理で、手押し部分を最初の数プッシュだけすればあとは勝手に水が流れます。
水だけでなく、底床につまった汚れも吸い上げて排出できるため、水槽の水換えで重宝されています。
カルキ抜き
カルキ(塩素)は、メダカにとって有害なため、メダカ飼育に使用する水はカルキを抜く必要があります。
水を汲み置きしておけばカルキを抜くことができますが、早くても数時間、季節や置く場所によっては数日かかってしまいます。
市販のカルキ抜きを使用すれば、水道水に入れるだけですぐに水換えに使用できます。
汲み置きをする時間や場所がない方は、市販のカルキ抜きを使用しましょう。
バケツ
水換えには、水槽の水を抜いたり、カルキ抜きをした水を入れたりする容器が必要です。
持ち運ぶため、バケツが適しています。
メラミンスポンジやスクレーパー
水槽のコケ汚れや水垢の掃除には、メラミンスポンジやスクレーパーが便利です。
メダカの水換えの手順
メダカの水換えの手順を3ステップで解説します。
- 水槽の掃除をする
- クリーナーポンプで水槽の水と汚れを取り出す
- カルキ抜きをした水を水槽に入れる
1.水槽の掃除をする
まずは、水槽の壁面に付いたコケ汚れや水垢を掃除します。
乾拭きをすると水槽を傷つけてしまう可能性があるため、必ず水中でこすりましょう。
掃除の際は、メダカのストレスにならないように丁寧に作業する必要があります。
照明などの機材を使用している場合は、ついでに動作チェックやメンテナンスも行うのがおすすめです。
ただし、ろ過フィルターの掃除や、ろ材の取り替えなどは同時に行わないようにしましょう。
理由については次章「メダカの水換えの注意点」で詳しく説明します。
2.クリーナーポンプで水槽の水と汚れを取り出す
クリーナーポンプを使用して、水と床底に溜まった汚れをバケツに排出します。
クリーナーポンプの先端を床底に当てて、手押し部分をシュポシュポすれば床底の汚れが排出できます。
水換えの量は全体の3分の1程度が目安です。
3.カルキ抜きをした水を水槽に入れる
クリーナーポンプを利用して、カルキ抜きをした水を水槽に入れたら水換えが完了です。
メダカの水換えの注意点
メダカの水換えには、押さえておくべき注意点がいくつかあります。
事前に注意点をしっかり把握して、失敗を防ぎましょう。
【メダカの水換えの注意点】
- 針子や稚魚の水換えは慎重に行う
- 一度に全部の水を交換しない
- 水換えと同時にろ過フィルターの掃除をしない
- 汲み置きした水は早めに使う
- 水温を合わせる
- 水はゆっくり注ぐ
針子や稚魚の水換えは慎重に行う
孵化したばかりの針子や稚魚は非常に繊細なため、少しの環境変化がストレスになります。
産卵から孵化まではスムーズに進んでも、針子や稚魚の育成が失敗するケースは少なくありません。
そのため、針子や稚魚の水換えは慎重に行う必要があります。
水質に問題がない場合は、水換えを控えた方が安心です。
水質が悪化し、水換えが必要な場合は、全体の1〜2割程度を交換すると良いでしょう。
また、新しく入れる水の水温を水槽の水温と合わせることも重要です。
一度に全部の水を交換しない
水槽の水を一度に全部交換すると、phや水温、バクテリアバランスなど水槽内の環境が急激に変化するため、メダカにとって大きなストレスになります。
一度の水換えの量は、全体の3分の1程度にしましょう。
水換えと同時にろ過フィルターの掃除をしない
水換えの際に水槽の掃除をしてコケ汚れなどを落とすと、ろ過フィルターも掃除したくなりますが、同時に掃除しないように気を付けましょう。
バクテリアは、底砂以外にもフィルター内のろ材にも定着し、繁殖します。
そのため、水換えと同時にろ過フィルターの掃除やろ材の交換をするとバクテリアの数が急激に減ってしまいます。
ろ過フィルターの掃除やろ材の交換をする場合は、水換えから1週間程度は間隔を空けましょう。
汲み置きした水は早めに使う
水を汲み置きしてカルキを抜く場合、季節や地域によっても異なりますが、屋外の日当たりの良い場所で数時間、屋内で数日ほどかかります。
カルキを抜いた水は、時間の経過と共に痛みやすくなります。
特に夏の暑い時期は痛むのが早いため、カルキを抜いてから1〜2日以内には使い切りましょう。
水温を合わせる
急激な温度変化はメダカのストレスになるため、新しく入れる水と、水槽の水の水温を合わせる必要があります。
汲み置きの場合は水槽のすぐ近くに置いて水温を合わせたり、お湯を使用したり、ヒーターを使用している場合はヒーターで水温を調節したりしましょう。
水はゆっくり注ぐ
水換えの際に水を勢いよく注ぐと、底砂を巻き上げてしまう可能性があります。
底砂には糞や食べ残し、病原菌などが蓄積しやすいため、水槽内に汚れや病原菌をまき散らしてしまう恐れがあります。
クリーナーポンプを使用したり、バケツで水を注ぐ際には水槽の壁面に水流が当たるように工夫したりしましょう。
まとめ
メダカの室内飼育・屋外飼育における水換えの頻度や方法、状況に応じたタイミングの見極め方、注意点について詳しく解説しました。
メダカの水換えは、基本を抑えつつ、よく観察したり水質のチェックをしたりして臨機応変に対応することが大切です。
この記事を参考に、適切なタイミングで水換えをして、健康なメダカの成長を見守りましょう。
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