メダカが産卵しない原因12選と有効な9つの対策を紹介

メダカ飼育

メダカの繁殖は、メダカ飼育の醍醐味といえます。

しかし、メダカの産卵がうまくいかず、不安になる方も少なくありません。

メダカが産卵しない場合、日照時間や水温、オスとメスの相性、メダカの健康上の問題などさまざまな原因が考えられます。

この記事では、メダカが産卵しない原因12選と有効な9つの対策をわかりやすく解説します。

メダカの産卵に関するよくある質問にも回答しますので、メダカが産卵しないことでお悩み中の方はぜひ最後までお読みください。

メダカが産卵するための条件

まずは、メダカが産卵するために必要な条件を確認しましょう。

メダカが産卵するために必要な主な条件は、以下の通りです。

  • 日照時間が12~13時間以上
  • 水温を20~25度程度に保つ
  • メスが充分な栄養を取れている
  • オスとメスの相性が良い

屋外飼育の産卵時期

屋外飼育の場合、地域によって多少差がありますが、日照時間や水温などメダカの産卵の条件が揃うのが4月から10月頃です。

4月から10月頃の産卵時期以外は、基本的に繁殖をしません。

屋内飼育の産卵時期

屋内飼育の場合は、照明や水槽用ヒーターを利用して日照時間や水温を調整すれば、冬でも産卵します。

屋内飼育で季節を問わずメダカを産卵させるには、タイマー機能等を利用して照明時間を12〜13時間以上になるように設定し、水槽用ヒーターで水温を20〜25度程度に保つことが重要です。

メダカが産卵しない原因12選

メダカの産卵

メダカが産卵しない主な原因12選を紹介します。

当てはまる項目がないか、チェックしてみましょう。

【原因1】日照時間が短い

メダカが産卵するには、1日の日照時間が12〜13時間以上必要です。

屋外飼育の場合は、産卵に適した日照時間になるのが4月から10月頃ですが、メダカを日当たりの悪い場所で飼育していると、日照時間が不足する場合があります。

室内飼育の場合で照明を使用していない場合や、照明を点灯する時間が短い場合も日照時間が不足してしまう場合があります。

【原因2】水温が低い

メダカを産卵させるには、水温を20〜25度程度に安定させることが大切です。

日当たりや気温の影響で水温が下がり過ぎていないかチェックしましょう。また、日中と夜間の水温の差が大きすぎてもメダカが体力を消耗して弱ってしまう場合があります。

水温の差が開きすぎないようにすることも大切です。

【原因3】メスの栄養不足

産卵は体力を消耗するため、メスが栄養不足になっていると産卵がうまくできません。餌の品質が悪かったり、給餌の回数が不足していたりすると栄養不足に陥ることがあります。

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【原因4】産卵場所がない

メダカは通常、水草などに卵を産み付けます。

また、産卵の際に隠れ場所がある方が安心して産卵行動ができます。水草や人口の産卵床など、産卵場所や隠れ場所がないことが原因で産卵しないケースがあります。

【原因5】水質が悪い

メダカが産卵するには、オスとメスの健康状態が良好である必要があります。

水換えの頻度が適切でなかったり、水温が高温になっていたりすると水質が悪化しやすくなります。

また、餌の食べ残しや排泄物の蓄積によって、水質が酸性へ傾いていきます。水質が悪いとメダカの健康状態が悪化しやすく、産卵しない原因となる場合があります。

水質検査キット等を使って、PHやアンモニア等の値をチェックしましょう。

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【原因6】過密飼育

メダカは、腹部が膨らんだメスをオスが追尾・求愛して産卵します。

メダカの匹数に対して水槽が小さく、過密飼育になっていると繁殖行動が他の個体に邪魔されやすいため、産卵を妨げてしまうことがあります。

適切な密度は、水1Lに対してメダカ1匹が目安です。水の量に対してメダカが多すぎないか確認しましょう。

【原因7】オスとメスの相性が悪い

メダカは、繁殖期になるとメスが体内に卵を宿します。

そして、お腹が膨らんだメスにオスが求愛し、メスがオスを受け入れると交尾と産卵をします。ただし、メスは健康なオスならどの個体でも受け入れる訳ではありません。

メダカ同士にも相性があり、メスがオスを拒否した場合は交尾や産卵に至りません。オスとメスの相性も重要なポイントです。

【原因8】オスが小さい

メダカの交尾は、オスがメスに寄り添いながら背ビレと尻ビレでメスを抱きかかえるような体制で行います。

そのため、オスの体が小さいと交尾がうまくいかず、産卵できない場合があります。

基本的にメダカは、オスよりメスのほうがやや大きいですが、メスの体型に対してオスが小さすぎないかチェックしましょう。

【原因9】メスの数が少ない

メスの数がオスの数より少ない場合、メスが複数のオスに追いかけ回されて、ストレスが溜まり産卵しないことがあります。

オスとメスの数を確認しましょう。

【原因10】体調不良・病気

メダカが産卵するには、オスとメスの健康状態が良好であることが重要です。

病気や体調不良になっていると、産卵が難しくなります。

また、病気のメダカをそのままにしていると、他のメダカに病気が移ったり、死んでしまったりする恐れがあります。

以下の症状があるときは、メダカの体調不良や病気を疑いましょう。

  • 水面で口をパクパクしている
  • 水面近くをフラフラ泳いでいる
  • 体表に異物がある
  • 痩せている
  • 動きが鈍い
  • 鱗が逆立っている

【原因11】過抱卵

メダカのお腹が異常に膨らんでいるときは、過抱卵の疑いがあります。

過抱卵とは、メダカがうまく産卵できず、お腹に卵が溜まってパンパンに膨れ上がった状態のことです。過抱卵になり産卵できないままの状態が続くと、メダカが死んでしまうこともあります。

過抱卵になっている場合は、水換えをして刺激を与えたり、ペアのオスを入れ替えたりして解消を試みましょう。

【原因12】生殖障害や老化

メダカの個体に、老化による繁殖機能の低下や生まれつきの生殖障害があることが原因で産卵しないケースもあります。

また、体長が短い個体やヒレが長い個体は、体型が原因で繁殖行動がうまくいかないケースがあります。

メダカが産卵しない時に有効な9つの対策

メダカが産卵しない時に有効な9つの対策を紹介します。

【対策1】日照時間と水温を調整する

メダカが産卵するには、日照時間を12〜13時間以上、水温を20〜25度程度に保つことが重要です。

室内飼育の場合は、水槽用のヒーターや照明を使用して調節するのが良いでしょう。

屋外飼育の場合は4月から10月頃が産卵時期ですが、日当たりが悪い場所や直射日光が1日中当たる場所で飼育していると適切な日照時間や水温にならないことがあります。

屋外飼育の飼育場所は、午前中日光が当たり、午後からは徐々に日陰になっていくような場所が理想的です。

また、夏の暑い時期には、水温が上がりすぎないようにスダレなどで日光を遮断することも必要です。

【対策2】餌を変える・回数を増やす

メダカの健康状態を良好に保ち体力をつけるために、栄養豊富な餌を与えたり、餌の回数を増やしたりすることも大切です。

栄養豊富な繁殖・産卵用の餌を、回数を普段より多めに与えると良いでしょう。

ただし、餌の食べ残しが発生すると水質悪化につながるため、1回あたりの量は変えないようにしましょう。

メダカの餌としておすすめは、「栄養価と嗜好性」の高いミジンコです。

一般の乾燥餌は食べ残すと腐り水質を悪化させますが、ミジンコは生きているため、食べ残されても腐ることはなく、水質を悪化させません。

ただし、過剰に入れると、水槽に入れすぎるとミジンコが大量の酸素を消費し、メダカが酸欠を引き起こす可能性があるため、少量から始めて様子を見ながら調整してください。

ですので水槽にミジンコを入れるときは、最初は少量から始め、様子を見ながら量を増減するようにしてください。

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【対策3】産卵場所を用意する

水草や人工の産卵床を水槽内に設置し、産卵場所や隠れ場所を用意することで、メダカが産卵しやすくなります。

産卵床には、屋外ならホテイソウ、屋内ならマツモやカボンバなどが適しています。

また、市販の産卵床には、人工繊維や人工水草など、さまざまな形状のものがあります。

メダカによって産卵床の好みがあるため、産卵床に産み付けない場合は、別の種類の産卵床を設置して様子をみるのが良いでしょう。

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【対策4】水換えをする

水換えによって、水質が改善されたり刺激を与えたりすることで、メダカの産卵を促すことが期待できます。

また、過抱卵になっている場合も、水換えが刺激になり産卵する場合があります。

ただし、急激な環境の変化はメダカにストレスを与えるため、水槽内の3分の1程度の量を交換するのが良いでしょう。

以下の記事で、メダカの水換えのやり方や注意点などについて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

【対策5】水槽を大きくする・匹数を減らす

水槽の密度は、水1Lに対してメダカ1匹が理想的です。

密度が高い状態で飼育している場合は、水槽を大きくしたり一部のメダカを別の水槽に移動させたりして、メダカが産卵しやすい密度に調整しましょう。

【対策6】メダカを入れ替える

メダカ同士の相性が悪い場合、オスを入れ替えることで産卵がうまくいく可能性があります。

また、ヒレ長(ヒレが長い体型)やヒカリ体型(体や尾びれが菱形)のメダカは、オスかメスかの判断が難しいため、同性同士でカップリングしてしまっている可能性があります。

そのため、1匹ずつではなく、複数のメダカを一緒に飼育する方が産卵しやすくなります。

【対策7】メスの数を増やす

メスの数をオスの数より増やすことで、産卵がうまくいく可能性があります。

目安としては、オスとメスの比率が2:3ぐらいになるように匹数を調整するのがおすすめです。

例えば、水槽内のメダカが10匹の場合はオスが4匹、メスが6匹ぐらいにするのが良いでしょう。

【対策8】塩浴や薬浴をする

メダカが体調不良や病気になっている場合は、まずは体調を改善し健康な状態にする必要があります。

塩浴や薬浴をして体力の回復や病気の治療を行いましょう。

塩浴は、メダカの元気がない時や病気の初期症状が出ている時などに効果が期待できます。

メダカの塩浴の方法

メダカの塩浴の方法を紹介します。

メダカの塩浴は、塩分濃度0.5%の塩水にメダカを入れて飼育します。塩の量は、水1Lに対し塩5gが目安です。

準備するもの

  • 塩浴用の容器(バケツ等)
  • 塩浴に使う塩
  • エアレーション
  • カルキ抜き(汲み置きする場合は不要)
  • 手順1

    塩浴用の容器(バケツ等)に水を入れ、水温を水槽の温度と合わせ、カルキ抜きをします。酸素を供給するために、エアレーションをメダカに負担のない程度に調節して設置しましょう。

  • 手順2

    メダカを塩浴用のバケツに移し、塩分濃度が0.5%になる量の塩を少しずつ入れます。塩分濃度が急激に変わるとメダカの負担になるため、かき混ぜずにゆっくり塩が溶けるのを待ちます。

  • 手順3

    塩浴中は水質が悪化しやすいため、1日置きに水換え(全換水)をしましょう。塩浴中は餌は与えない方が良いですが、心配であれば少量だけ与えましょう。メダカが元気になったら、数日かけて徐々に塩分濃度を薄めてから、水槽に戻します。

塩浴の期間は長くても1週間程度までにしましょう。また、塩浴に使う塩は、調味料やにがりなどが入っていない塩を選びましょう。

市販の塩でも使用できますが、観賞魚の塩浴用として販売されている塩の方がより安心です。

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【対策9】産卵促進剤を使う

さまざまな対策をしても効果がない場合は、産卵促進剤を使うのも選択肢のひとつです。

産卵促進剤にも色々な種類がありますが、基本的には産卵期に必要なミネラルやビタミン類などの栄養素が配合されています。

使用の際には、注意事項をよく読み、用法・用量を守って使用しましょう。

メダカの産卵に関するよくある質問

メダカの産卵に関するよくある質問に回答します。

メダカの卵はほったらかしにしていても孵化する?

メダカの卵をほったらかしにしていると、卵や稚魚が親メダカや他のメダカに食べられてしまう恐れがあります。

孵化率を高めてメダカを増やしたい場合は、卵を隔離して管理・育成するのがおすすめです。

メダカが産卵したようだが卵が見つからない。

メダカが産卵したようだけど卵が見つからない場合、メダカの成魚が卵を食べてしまっている可能性があります。

メダカの産卵は、基本的に明け方に行われるため、朝の時間帯に卵がないかチェックして、産卵されていれば卵を他の容器に移すのが良いでしょう。

また、卵が産卵床に産み付けられず、水槽の底に沈んでいる可能性もあります。メダカが産卵床に卵を産み付けない場合は、違う産卵床に変えたり、他の種類の産卵床を増やしたりしましょう。

メダカは夏の暑い時期には産卵しない?

メダカは、夏の暑い時期に産卵行動を控えることがあります。

水温の上昇により水質が悪化し、メダカが体調不良や病気になりやすくなることが原因と考えられます。特に屋外飼育の場合は、直射日光が当たると水温が高温になりやすいため、日よけ対策をする必要があります。

夏でも水温や水質に気を付けて、産卵に必要な条件が揃っていれば産卵します。

まとめ

メダカが産卵するには、日照時間や水温の条件が揃い、相性の良い健康なオスとメスがカップリングする必要があります。

産卵がうまくいかない場合は、この記事で紹介した内容を参考に、メダカをよく観察して原因を見極め、適切な対処をしましょう。

メダカの体調不良や病気が疑われる場合は、まずは健康状態を良好にすることが大切です。

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