メダカの卵が孵化しない原因6選と対処法を紹介!よくある質問にも回答

メダカ飼育

メダカの卵が何日経っても孵化しないと、無事に稚魚が生まれるのか心配になる方も多いでしょう。孵化率を上げるためには、水温や日照時間の適切な管理に加え、カビの予防が重要です。

この記事では、メダカの卵が孵化しない主な原因6選と、有効な対処法を5つをご紹介します。

また、メダカの卵に関するよくある質問にもお答えしますので、メダカの卵が孵化しないとお悩みの方はぜひ参考にしてください。

メダカの卵が孵化する条件

メダカの卵は、積算水温(水温×日数)が250℃に達すると孵化するといわれています。

例えば、平均水温が25℃の場合は孵化まで約10日、20℃の場合は約13日かかる計算になります。

実際に孵化までにかかる日数は日照時間などの影響を受けるため、多少前後することがあります。

メダカの卵が無事に孵化するためには、カビの予防、充分な日照時間の確保、適切な水質の維持が重要です。

成熟したメダカは1日あたり10〜30個ほどの卵を産むので、孵化がうまくいけばたくさんの稚魚が生まれます。

メダカの卵が孵化しない原因6選

めだかの産卵

メダカの卵が孵化しない原因6選をご紹介します。

当てはまる項目がないか、ひとつずつチェックしてみましょう。

【原因1】水温が低い

メダカの卵が孵化するのに最適な水温は25℃前後です。

気温が低い日や雨の日が続くと、水温が下がってしまうことがあります。水温が低すぎると卵が成長できず、孵化しない場合があります。

また、水温が低いと孵化までの期間が長くなり、その間に水カビが発生しやすくなるため注意が必要です。

【原因2】無精卵

メダカの卵は、オスとの交尾により受精することで受精卵になります。

卵の中には受精していない無精卵が含まれている場合が多く、無精卵は孵化しません。

無精卵は産卵後、数日内に白っぽく濁り始めます。また、とても柔らかく、指で触ると簡単に潰れるのが特徴です。

【原因3】カビが生えた

無精卵は、すぐにカビが生えてしまいます。

カビは他の卵にも移るため、無精卵を早めに取り除かないと受精卵にもカビが移ってしまいます。

また、受精卵だけで管理していてもカビが生える場合があるので、カビには充分に注意が必要です。

特に、水温が低く孵化までの日数が長くなるとカビが生えるリスクが高まります。メダカの卵にカビが発生すると、卵が白く変色します。

白くなった卵を見つけた場合は、他の卵にカビが移る前にすぐに取り除くことが大切です。

【原因4】卵の中で稚魚が死んでいる

いつまでも孵化しないと思っていたら、卵の中で稚魚が死んでしまっているケースもあります。

水温が低すぎたり日照時間が足りなかったりして孵化するまでの日数が長くなりすぎて死んでしまうケースや、水温が高すぎて死んでしまうケースがあります。

無精卵やカビが生えている卵以外で、指で押してすぐに潰れたり、色が白くなったりしている場合は、卵の中で稚魚が死んでしまっている状態です。

【原因5】日数が足りない

メダカの卵が孵化するまでにかかる日数は、水温や日照時間の影響を受けるため、飼育環境によって変わります。

早ければ1週間程で孵化する場合がありますが、水温が低かったり日照時間が足りない場合は2週間以上かかる場合もあります。

水温や日照時間が足りていない場合は、日にちがかかることを理解しておきましょう。

【原因6】水質が悪い

水換えの頻度が少ない場合や水温が高くなると、水質が悪化したり、水中の酸素が減少したりする原因となります。

水質の悪化や酸素不足により、卵が腐敗して孵化できなくなることがあります。

そのため、水換えの頻度や水温の管理には注意が必要です。

メダカの卵が孵化しない時の対処法5つ

メダカの卵が孵化しない時の有効な対処法を5つ紹介します。

【対処法1】水温を調節する 

水温25℃前後が、メダカの卵の孵化に最も適した水温です。

水温が低すぎたり、高すぎたりすると孵化がうまくいきません。水槽用ヒーターなどを使用して適切な水温に調整しましょう。

日光が当たりすぎると水温が高くなりやすいため、夏の暑い時期は直射日光が当たらないように日除け対策をすることも大切です。

特に、小さい容器の場合は日光が当たると水温が上がりやすいので注意が必要です。屋外飼育の場合は、断熱性・保温に優れている発砲スチロールを使用するのも良いでしょう。

また、水換えの際は、水温が変わりやすいので気を付けましょう。不安な方は、水温計を使ってチェックすると良いでしょう。

【対処法2】カビを防ぐ

メダカの卵は放置しておくとカビが生えて白くなりやすいため、注意が必要です。

卵を無事に孵化させるためには、カビの発生を防ぐことが重要です。ここでは、カビを未然に防ぐために有効な対策を4つ紹介します。

カルキ抜きしていない水道水を使用する

水道水に含まれるカルキ(塩素)には殺菌効果があります。

メダカの卵をタッパーなどの容器に移し、カルキ抜きしていない水道水に入れて管理することで、カビが生えにくくなります。

孵化したメダカの飼育水はカルキ抜きをする必要がありますが、卵はカルキが含まれていても問題がありません。

ただし、カルキは1日ほどで抜けるため、毎日水換えをすることが大切です。卵に目玉が確認できたら孵化が近いサインですので、カルキ抜きの水と交換しましょう。

無精卵を取り除く

カビを防ぐためには、無精卵を早い段階で取り除くことが大切です。

無精卵はカビが発生しやすく、放置すると受精卵にもカビが広がってしまいます。受精卵と無精卵を見分けるには、卵を指で触ってみるとわかりやすいです。

無精卵は柔らかく、手で触っただけで簡単に潰れます。一方、受精卵はとても硬く、手で触っても簡単には潰れません。

しかし、メダカ飼育が初めてという方の中には、手で触るのが難しく感じる人もいるでしょう。

手で触るのが難しいという方には、後述するメチレンブルー水溶液を使って見分ける方法もおすすめです。

メチレンブルー水溶液を使用する

メチレンブルー水溶液は、観賞魚の水カビ病や白点病などの治療に使用する治療薬です。

卵の飼育水に添加することで、水カビを防ぎやすくなります。

また、無精卵はメチレンブルー水溶液に浸すと青く染まりやすい性質があるため、無精卵と受精卵を簡単に見分けることができます。

ただし、濃度が濃すぎると受精卵まで青く染まってしまうので、濃度には注意しましょう。

使用量は、水1Lに対して2〜3滴程度が目安です。

メチレンブルー水溶液は、日光が当たると分解されて透明になり、殺菌効果も無くなってしまいます。

そのため、直射日光が当たらない場所で卵を管理するのが良いでしょう。

また、メチレンブルー水溶液を水槽に入れると水草や藻を枯らすことがあるため、タッパーなどの容器に卵だけを移して使用しましょう。

卵同士を離す

メダカの卵がくっついて塊になると、カビが移りやすくなるため、卵同士が接触しないように管理することが重要です。

ほぐし方は、卵の塊を手のひらに置いて、もう片方の手の指の腹でほぐします。受精卵は固いので、指で押した程度では潰れません。

この作業で潰れるのは無精卵ですので、気にする必要はありません。

また、卵には付着糸(または纏絡糸)という糸がついており、糸が残った状態だとカビが発生しやすくなります。

ガーゼがある場合は、卵をガーゼの上に置いて指の腹でほぐすと糸を取り除くことができます。

【対処法3】水質に気を付ける

水質が悪いと、卵にカビが生えたり腐敗しやすくなったりします。こまめに水換えを行い、水質の悪化を防ぎましょう。

カルキ入りの水道水で孵化を待つ場合は、1日程度でカルキが抜けるため毎日水換えをしましょう。

メチレンブルー水溶液を使用する場合は、色が薄くなってきたら水換えをすると良いでしょう。

飼育水が高温になると水質が悪化しやすいため、水温の上昇に気を付けることも大切です。

【対処法4】日にちが経つのを待つ

水温や日照時間の影響で、孵化まで2週間程度かかる場合もあるため、焦らずに孵化を待ちましょう。

ただし、孵化までの日数が長くなるほどカビが生えやすくなるため、水道水やメチレンブルー水溶液などを使い、カビ対策は万全にしましょう。

【対処法5】卵を他の容器に移して管理する

メダカが産卵したら、卵を水槽とは別の容器に移して管理するのがおすすめです。

メダカの成魚は卵や稚魚を食べてしまうため、卵をそのままにしておくと全部食べられてしまう恐れがあります。

また、無精卵と受精卵の選別やカビ対策をする際にも卵を水槽から取り出す必要があります。

水草などに卵を産み付けた場合、卵が見つけにくく、気づかないうちに食べられてしまう恐れがあります。

卵を見つけやすい形状の人工の産卵床を置いておくと、産卵床ごと卵を取り出せるので便利です。

メダカの卵に関するよくある質問

めだかのたまご

メダカの卵に関するよくある質問に回答します。

メダカの卵に目が見えるのに孵化しないのはなぜ?

卵の成長には水温と日照時間が影響します。順調に成長している場合は、目が確認できてから4〜5日程度で孵化します。

水温が低い場合や日照時間が足りない場合は、成長するペースが遅くなり、孵化するまでの日数が長くなります。

メダカの卵はほったらかしにしても孵化する?

メダカの卵はほったらかしにしても孵化しますが、孵化率や稚魚の生存率が下がってしまう恐れがあります。

メダカの成魚は、卵や稚魚をエサとして認識し食べてしまいます。また、メダカの卵はカビが生えて孵化できないことが多々あります。

卵を別の容器に移し、無精卵を取り除いた上でカルキ入りの水道水やメチレンブルー水溶液を使用して育成した方が孵化率が上がります。

メダカの卵が生きてるか心配

メダカの卵が生きているかを確認するには、卵を手のひらに置いて指の腹で軽く押してみると良いでしょう。

生きている卵はとても硬く、指で押しても簡単には潰れません。卵が指で押して簡単に潰れる場合は死んでしまっている状態です。

また、死んだ卵は白くなり水カビが発生します。

孵化直前のメダカの卵が白いのはなぜ?

正常なメダカの受精卵は、卵の中の稚魚が成長する様子が観察できるほど透き通っています。

卵が白く濁っている場合は、カビが生えている、卵が死んでいる、または無精卵である状態です。

水温や水質が原因で、孵化直前でも卵にカビが生えたり、中の稚魚が死んでしまったりすることがあります。

卵が白くなっている場合は、他の卵へカビが移るのを避けるため早めに取り除きましょう。

メダカの卵が生まれる直前の様子が知りたい

メダカの卵の孵化が近づくと、卵の中で稚魚が動き回るようになります。稚魚の体には黒い色素が現れ、尾は顔の位置までくるほど長くなります。

ただし、メダカの卵は直径1〜1.5㎜程度なので、微細な点は肉眼での観察は難しいでしょう。そのため、ルーペ(拡大鏡)などを使用して観察するのがおすすめです。

まとめ

メダカの卵が孵化しない場合は、水温や日照時間、水質、カビの発生などが主な原因です。

水温を25℃前後にすることが重要なポイントです。また、カビを防ぐには、早い段階で無精卵を取り除き、水道水やメチレンブルー水溶液で管理することが大切です。

無精卵と受精卵を見分ける方法は、初心者の方でも難しくありませんので覚えておくと良いでしょう。

メダカの稚魚はとても愛らしく、育て甲斐があります。孵化のコツを掴めばたくさんの稚魚が生まれ、メダカ飼育をより楽しめるでしょう。

今回紹介した原因や対処法を参考に、卵を適切に管理して元気な稚魚が孵化するのを楽しみに待ちましょう。

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